Psycopathy Checklist Revised.

【ご報告】『Psychopathy Check List(PCL-R)の研修と評定演習』

Hare先生とForth先生と一緒に開催した、第1回のワークショップの時と異なり、総てを日本語で日本人を対象に行うと言う意味で、初めての試みであった。

先の場合、参加者は、講師が英語で喋ることも、資料が英語の記載であることも、事例が北米人の事例であることも当然のこととして受け入れている感があったが、今回は、まず「北米人の犯罪者は、ニュアンスが掴みにくい」という率直な質問が出された事が印象的であった。
わざわざ国外にワークショップを受けに行った日本人もかなりいるのであるが、本当に日本人がなじみのない欧米の文化を背景にした犯罪と犯罪者を理解して評定するというのは、かなり難しいのである。
まさにわたしが、日本語版が必要であると考えた最も大きな理由の一つが、そこにあった。また、評定自体が微妙なニュアンスの理解を求めている中で、わたしが意図していた外国で英語で受けたのでは得られない効果を有したといえるということが、今回のワークショップのかなり具体的な質問からも実感できた。

ただ、日本の医療と法・行政のシステム上、精神障害者か犯罪者かという二分化された職務の人々にその狭間のサイコパシー者を判断する事をもとめることは、かなり厳しいと言うことを、改めて実感させられた。矯正関係の職務についている人々にはわかりやすいのであろう。しかし、これまで措置入院の適用となるような触法精神障害者は『病気を治す』と考え仕事をしてきた精神科医・心理士に、危険性・暴力性・再犯性を予測することを求めることは極めて異質な作業であり、中核群といわれる特性の全体像を思い描くことが難しいようであることがわかった。しかし、議論や評定作業、ディスカッションの中で、みな徐々に評定上求められているポイントを理解できてきた。

これからは、日本人のモデル事例を早急に作り、より有用性の高いワークショップにしていく必要があると実感した。

〜第2回PCL-Rワークショップ 講師 西村由貴〜

なお、次回ワークショップ開催は、平成18年3月下旬に、慶應大学日吉キャンパスで予定しています。

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