Psycopathy Checklist Revised.

サイコパシー・チェックリスト改訂版 第2版PCL-R セミナー

Hare先生の初来日

PCL-Rの開発者であり、ブリティッシュ・コロンビア大学名誉教授であるR.D. Hare Ph.D.先生が、2004年11月初めて日本を訪問されます。これは、諸外国においてすでに広く使われているリスク・アセスメント手法 PCL-Rが日本語に翻訳され出版されるに当たり、日本においてPCL-Rの特色、適正な使用法、誤用の恐れ等について理解を求め、この手法が適正に使用され普及するよう講演を願ったものです。

I.「リスク・アセスメントにおけるPCL-Rの持つ意味」
法執行関係者、司法面の精神科医、心理士、医療関係者向けセミナー
・サイコパシー、その測定法、重要性に関する理論と研究の現在までの概要を示します。
・PCL-Rの使用法とそこから生じうる誤用について論じます。

II.「PCL-Rが測定しようとしているもの」
PCL-Rトレーニングを今後受ける資格または必要のある人々向けセミナー
・今後、司法研修制度が確立した際、または矯正業務の中でPCL-Rを実施し、採点し、解釈することができるようになる必要があるないし求められている人々でトレーニングを受ける資格のある人々、有資格者の元で勤務する人々に、日本での訓練コース開講前の知識の普及

III.「スーツ姿の蛇:リスク・アセスメントとサイコパシー」PCL-R第2版 日本語版出版記念講演
法執行関係者、行政官、司法面の精神科医、心理士、医療関係者向けセミナー
・日本人が国内で正式に通常業務の中でPCL-Rを使用することができること、諸外国の先行研究と比較検討ができることを目的として、日本語版が出されました。これにあたり、PCL-Rの測定している概念の意味、すでに政策に応用している諸外国の例を挙げ、PCL-Rの各種分野における意義、異文化における使用の妥当性について解説します。

セミナー解説

Hareのサイコパシー・チェックリスト(PCL-R)はサイコパシーを評定するにあたり信頼性と妥当性が極めて高いことが広く承認されています。PCL-Rという手段では、サイコパシーの対人面・感情面・社会的逸脱面/生活様式の成分を測定する20項目を採点するために、面接と補足情報(例えば記録)を用いています。PCL-Rは、サイコパシーの構成概念を測定するために考案されましたが、サイコパシーが犯罪全般、暴力行為を伴う犯罪、性犯罪の再犯との関連性があるがために、暴力行為を伴う犯罪者、性的加害者、医療保護入院・措置入院といった強制入院手続きの際、またさまざまな司法集団におけるリスクを評定する際に、重要な要因として、ますます用いられるようになっています。さらに、判決内容のオプションや、治療の安定性、施設内の配置を決める際の一助としても用いられています。適用された個人や社会に対して大きな影響を及ぼしうる判断・判定を行うためにPCL-Rを広範に用いていくためには、この手法が資格を認定された臨床家や研究者らによってのみ実施され、認められた専門分野や倫理面のスタンダードと齟齬のないようにすることが必須です。

今回セミナーの目的は
(1) サイコパシーの理論と研究、その測定法および精神保健と刑事司法システムに対する重要性の概要を示すこと。
(2) PCL-Rの適用と起こりうる誤用について論じること。
です。

今後の予定 2005年
日本におけるPCL-Rトレーニングの実施:
1 Robert D. Hare 教授およびAdelle Forth教授によるトレーニング・コース(英語)
2 西村由貴らによるトレーニング・コース(日本語)

  • Menu

  • このWebサイトは…